享楽

ハイネケン誘拐の代償の享楽のレビュー・感想・評価

ハイネケン誘拐の代償(2014年製作の映画)
4.5
誘拐されなビール会社の経営者フレディ・ハイネケンと、誘拐した幼馴染の5人。
事件の裏で、いったい何が起きたのかー?

誘拐されながらも余裕を持ち、犯人たちを揺さぶってゆくフレディ・ハイネケン(アンソニー・ホプキンス)の演技は見事。ただ他の方が既にレビューで記述されている通り、誘拐側の行動が素直すぎたというか、もう少し誘拐した側とハイネケンとの対話が盛り上がっていたら一層面白くなっていたんじゃないかとは感じた。

ストーリーはほとんど誘拐した側の視点で描かれている。普通に建築業をして暮らしていた幼馴染の男達5人が、社会への不満を晴らすのにハイネケンを誘拐し身代金を要求。5人は全くの素人なので、素人なりに等身大に誘拐最中の苦悩や葛藤を抱えしまう様が描かれていて、後半は逃走劇。

社会や世間に対する不満はあったものの、金を盗んでからその不満が「元の生活に戻りたい」に転換しちゃうところに皮肉が効いていてイイ。
冒頭のシーンでハイネケンは語る
「運を掴もうとしたのか。わかる。私は自力で”ハイネケン”を世界的ブランドにした。カネをくれる妖精を馬鹿面さげて待ってたわけではない。」これはハイネケンが誘拐犯達に対し、金が欲しいなら運にかけるな。努力しろと言いたいことを示唆している。だがしかしハイネケンは続ける
「私が君たちなら同じことをしているよ」と。

ハイネケンが誘拐犯達に語る言葉「裕福には2通りある。莫大な金があることと、沢山の友人がいることだ。両方はあり得ない。」が犯人達に後悔を悟らせる言葉として実に的を射ていてニヤけてしまう。

警察側の動きをほぼ削って見せないことで、「誘拐犯側が〇〇すれば したから、警察側は〇〇してくるだろう するのではないか」と予測を立てれるのでその点観客として楽しめるんじゃないかな。

ハイネケンを誘拐したことでの代償は?
普通の生活 周りの身近な人々を失い 多額の金を得ただけ。トレードオフという概念を思い起こさせてくれる映画。
これで90分映画。最高。