『Kidnapping Mr.Heineken』
実際にあったハイネケンビールの社長誘拐事件に基づいたサスペンス。誘拐されたハイネケンと犯人グループの駆け引きや器の違いから起こる力関係の崩壊などが楽しめるのかと思いきや、そんなことはなかった。皆無。
予告や宣伝でもそう謳っているが、この映画はあくまで誘拐をしかけた若者5人が、それを通してどう変化していくかのみを描いてる。
ハイネケンが言う一つのセリフが何度か繰り返されるけどメッセージにしては弱いし、それが暗示した犯人グループの末路には何の感情も湧かない。5人の犯人たちについて曖昧模糊とした人物像しか見せないから感情移入も出来ないし。最終的に話自体がペラい完成度になってる。それで彼らのその後を語られてもね。ただの情報でしかなく何も感じなかった。
ハイネケンを演じたアンソニー・ホプキンスも活きてないし、全体的に凄く物足りない映画だった。これなら世界仰天ニュースやアンビリーバボーで特集された方が楽しく見れたな。
とは言いつつ、
ハイネケンは飲まないけど、これからはきっとUEFAチャンピオンズリーグの試合を見る度にこの誘拐事件のことを思い出すんだろうな。