せーや

天使が消えた街のせーやのレビュー・感想・評価

天使が消えた街(2014年製作の映画)
3.7
ブリュールの娘が天使。

映画監督トーマス・ラングは
2007年にイタリアの古都シエナで起きた
英国人留学生殺人事件の映画化のために
調査に訪れていた。

実際に起きた事件の映画化
というよりは、それを基に
愛やセックス、ドラッグについて描いた作品。

実際の事件も未解決事件のため
こういうものの映画化には大体
作り手の推理なんかが入ってきたりしてしまうけれど
この作品はそういった映画とは少し違う。

まず、ミステリー作品ではないし
事件の再現映画でもない。
そもそも殺人事件が起きた後の裁判を取材
というかたちで物語は進んでいくので
「誰が」「どうやって」「なぜ」殺したのか
というようなところに深く入り込んで推理しない。

あくまで既存の事実から、
映画監督トーマスの目を通して見えたものを描いている。

「この事件を映画にするならフィクションよ」
映画製作の中でジャーナリストに、こう助言される。
事実は置いといて、あくまで監督の推理を映画にするのか。
それとも、事実だけを述べる再現ドラマなのか。
それとも、もっと他の視点から撮るのか。

殺人事件をミステリーとして描かないという
斬新な作品ではあります。
映画内でもトーマスは「愛の映画」として作ると言ってる。
確実に一般ウケはしないんだろうなぁ、という。

エリザベスという英国人留学生。
そして同じ部屋を借りたアメリカ人留学生ジェシカ。
なぜ彼女たちは容疑者と被害者の関係になったのか。
なぜ、そこまで世間が盛り上がったのか。

二人とも美人なために世論は盛り上がったようですが
ジェシカだけに注目が集まってしまい
殺されたエリザベスは徐々に忘れ去られていく。

人々を煽るマスコミ。
「美人」という理由で盛り上がる記事。
人々はジェシカを非難するけれど
彼らに本当の姿が見えているのだろうか。

証拠が十分でないことから
二転三転していく判決。
ある人はジェシカを無罪だと言い
ある人はジェシカを有罪だと言う。

「真実」とは何か。
そんなものは、そもそも大衆にとって
意味のあるものなのだろうか。

ダンテの「神曲」を引用しながら
見ている者に疑問を投げかけてくる作品。

なんだか年々ふくよかになっている気がする
ダニエルブリュール。
彼よりも彼の娘が天使すぎて。

御年42歳のケイトさん40歳の時の作品。
20代でも全然通せるくらいの美貌です。
あんな40歳が周りにいたら…←

そして巷で大人気のカーラ・デルヴィーニュ。
今作が初メイン出演の作品。
自由奔放な女性が非常に似合っています。

基本的に映画に出てくる女性陣がみんな美形。
なので画面的に全く見飽きません。
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