グラッデン

スター・ウォーズ/最後のジェダイのグラッデンのレビュー・感想・評価

4.5
前作『フォースの覚醒』で再び動きはじめた神話。3年連続で新作が公開されているという現実に慣れていない自分がまだいます(汗)

新たな3部作とは言いながらも、連続する物語の延長線にあるからこそ、本作においても「継承」と「革新」のバランスを意識しながら鑑賞を進めておりました。

『フォースの覚醒』はファンに対する最大限の配慮と、レイをはじめとする魅力的な新たな語り部を躍動させるという離れ業をやってのけたJ.J.エイブラムス監督には最大限の労い言葉をかけてあげたいという気持ちで一杯でした。

本作において、物語のバトンを受け取ったライアン・ジョンソン監督が挑むことてなったのがタイトルにもある「ジェダイ」というテーマです。本シリーズを構成する上で最も特徴的な要素であり、かつ作品単位の解釈も微妙に異なるだけに、前作とはまた違った難しさもあるミッションだったと思います。

この点においては、非常に良い収め方であったと思います。個人的に本作は『帝国の逆襲』を彷彿とさせるシーンが随所にあったと感じておりましたが、隠居状態の現在のルークだけでなく、同作品でヨーダに指導を仰いでいた若きスカイウォーカーの双方の顔が見られたと思います。そして、レイとの出会いから生まれた葛藤の末に導いた彼なりの決意と行動には胸を打ちました。文字通り、本作は最後のジェダイをめぐる物語であり、この物語を終えることにより、真の意味で新たな神話が動いていくのだと実感することになりました。

3部作の真ん中に当たる本作は、野球で言えば、試合を作る先発でもなく、試合を締める抑えでもなく、試合を繋ぐ中継ぎです。しかしながら、この働きは試合の流れを引継ぎ、良いかたちで抑えに繋ぐ、見事なセットアッパーの役割を果たしたと考えております。ナイスリリーフを受けて、次作はどう転ぶか、今から楽しみにしておきたいと思います。