群青

スター・ウォーズ/最後のジェダイの群青のレビュー・感想・評価

3.9
2017年劇場鑑賞52作目。
2D吹替鑑賞。


2017年最後に観たのがこの作品でした。

他のシリーズのレビューをもし観た方なら、分かると思うが私のSWに対する温度はやや低い。
そんなに熱中できなかったし、自分の中では一昔前のSFのデザインから抜け出せなかった。つまり宇宙人のデザインや戦艦、ミレニアムファルコンに至るまでなんだかダサいという感覚だった。ライトセーバーのチャンバラも旧三部作はもたついてるし、なんならプリクエル三部作の方がそこら辺はCGも多用されてるし、殺陣もちゃんとしてた。
ストーリーもなんだか平凡で、EP3のみ後のダース・ベイダーになる展開が胸を打ったくらいだった。

EP7を観てもその感覚は変わらず、映像は綺麗になったがデザインはやっぱりダサいと思っていました。
今作もまあ世界的なシリーズだし、前作を観に行ったし、今作も観に行くか、という感じだった。


そう。だった。のである。


観た後は誰かに良いところも悪いのところも含め無性に話し合いたくなった。
150分は長かったが、予想を裏切る、というか、え?こんな展開?のつるべ打ちで脳のアドレナリンがパンパンになってしまい、鑑賞後の疲労感は今年1だった。



とりあえず、これシリーズ1だし、名作じゃね?というテンションでした笑


こんだけ良かったら観た後は絶賛だろうなぁと思っていたら、SWのかなりのファンの中でも真っ二つに分かれており驚愕。否定派の宇多丸さんのラジオを聞くと確かに言われてみればというところが多かった。その後、肯定派の町山さんの解説も購入し、こっちもこっちで熱烈な解説だし、俺の観た時の感覚もこんな感じでかなりやばかったし、ということで今は否定派の意見は分かりつつも自分のエモーショナルな部分を信じている、というところです。


先に、それでもどうかなって思ったところを挙げると、ダメロンが無鉄砲から成長するという、というストーリーにするためにキャラが前作からあからさまに変わってること。お前そんなやつだったか?と思うくらい笑 最初の作戦も成功したは良いもの…軍人としては鑑みないといけないほどの被害を出している。まあこれは被害の描写がオーバーだったんだろう。ダメロンいじめすぎ。イジメ、ダメロン。

2点目は、ポーグが案の定というか何の役割も果たしてない笑
キャラ的には面白いところがあったけど(某チワワのCMみたいなところは笑ったなぁ)、それ以外はない。お前はなんなんだ笑
最後はカジノの星の扱いが中途半端。あそこの流れが綺麗だったらもう少しスッキリしていたかも。


アレかなと思ったところはこんなところで良かったところはもうなんていうか…

血湧き肉躍るっていうか終始アツい!

エモーショナルな面に思い切って舵取りしている感じが良かったのかもしれない。筋道の甘さやどうなのかと思う展開があっても、それをねじ伏せる画面作りの方を優先しているような気がする。それが気に入りましたよ、僕は。
今回のレジスタンスは逃げるだけである。それをファーストオーダーが追うのだが、冒頭のバトルもそうだし、後半のバトルもそうなんだけど絶望感が半端無い。人手も武器も希望もない。こんな状態で果たしてファーストオーダーを倒すことができるのか。そんな終わりのないトンネルを通っているような絶望感が素晴らしかった。ここまで追い詰められている味方の軍はいるだろうか。

そのレジスタンスを追い詰めるのがアダム・ドライバー演じるカイロ・レンの存在感がすごい!!EP7の時の若気の至りが全くない!twitterでも言ったけど、シリアスな時彼の左目の涙袋がピクッと動くんです。それがなんとも彼の危うさと闇の深さと葛藤を感じられて素晴らしかった。

レイは相変わらず可愛い。映画館の大画面で彼女の顔を見ても全く見劣りしない。肌の質感がやばすぎる!レイちゃんマジレイちゃん。かわいいよレイちゃん。本当に可愛かった(キモい)

でもこの作品で一番アツかったのはルーク!!!出てくるところ全部かっけえ!
とりあえずルークの仙人生活がかっけえ!
旧三部作では正直三部作が終わった時点でも未熟だと思ってたんですよ、ルークは。子供から修練するジェダイとは違い成長してから始めてるし、ヨーダの言いつけもあまり守らなかったし笑
それがどうだ!いつかのルークの面影は消え、偏屈で頑固なジジイになってあるのである!それが逆に気に入った!弟子は師匠に似るというか、EP5の時のヨーダのような浮世離れ感が伝説のジェダイという存在感に説得力持たせてた。
彼が戦うシーンも本当に素晴らしい。肩の埃を払うっていう所作だけでテンションMAXになったことなんてコレしかない。吹替の島田敏さんも素晴らしかった。

展開的には赤い衣装に身を包んだやつらとのバトルなんてシチュエーションも展開もやばいし、ジュラシックパークのあの女が行うあの最強のカウンターも無音なことも、画面的に美しさも感じてよっしゃ!って思ったし、本当に何もかも素晴らしかった。


もう一度観たい、と純粋に思ったSWはこれが初めて。多分もう一度観にいくだろう。そしてもう一度あのアツさに浸りたい。心の底からそう思った。


SWは完全に新しくなった。ここから新たな銀河の彼方の物語が始まる、そう確信させられました!!
群青

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