滝和也

スター・ウォーズ/最後のジェダイの滝和也のレビュー・感想・評価

3.7
光に向かいし
エピソード456
闇に向かいし
エピソード123

神に見捨てられし
その後はどこに向かう
のか、混迷の中、
ディズニーが笑う…。

懐古的な冒険譚でありながらも、最新の技術を持って観衆を魅了したルークの物語。戦争もの、政治劇、人間ドラマであり、最高の剣劇アクションでもあったアナキンの物語。そしてスカイウォーカー家の物語は未だ続く…。

だが…やり尽くされてしまったフォースの物語は、模倣と拡大、拡散した解釈を生み出し、宗教の異端の如き表現を生む…。

プロットは帝国の逆襲再び…。肉付けはジェダイの帰還再び。フラッシュバックするカット、そう言う可能性もあったよねと言うストーリーテリング…。ツッコミどころだらけの新解釈や映像。確かにスターウォーズだというものもあれば、模倣だというものもいるはずであり、否定するサイトも立ち上がるのも分かる…。もはや難しすぎるのだ。スターウォーズはそれぞれの心にある偉大な作品なのだから…。

今回の映画は悩める若者たちのドラマとしてみるべきなのかもしれない。偉大な神、伝説の作品と戦わなければならない新たなる制作陣と同じく、伝説のジェダイ、シスに向かおうとする光でも闇でもない等身大の若者たち…。闇に寄るがシスではない悲しみの若者レン。光によるがジェダイではない希望のレイ。そしてスカイウォーカーの血と○○○○○もの。

ハンがそうであった様に、ルークの存在は大きいものの、決めて進むのは若者たちの決断だけだ。ポーはレイアが導き、ホルドが道を開く。若き悩める者たちに完璧ではない大人たちが道を教え、開く物語でもある。一見無駄な行いに見えるフィンもDJから何かまなんでいるのかもしれない…。

私は…最初に書いたように新しい映画としての驚きを常に与えてくれるスターウォーズが好きだ。皆それぞれにスターウォーズがあるはずだ。あらゆるジャンルを飲み込むような、それ程愛されている作品だ…。だから、それが好き、あれが駄目が出やすくなってしまっている。

だがなんにせよ、全てのバトンは次作に繋がれた…。新世代の観客がそれを良しとすれば、物語は続く。新たな作品への期待をもって完結編を待つ。

追記 親愛なるプリンセス、レイアが繋いだバトンを決して落とさないように願うのみです。過去最高の大団円を願ってやみません…。
滝和也

滝和也