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スター・ウォーズ/最後のジェダイのBACのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

・光も闇もない「そう上手く物事は進まないよ」という
犯罪映画によくある現実認識で作品世界の基礎を塗り替えようという
良く言えば勇気のある、悪く言えば暴挙を監督は選択している。
レイの出自やコードブレイカーの描き方など、そういうことだろう。

・そういうことをするなら
古くからのファンをも圧倒的する完成度が必要なはずだが
はっきり言って、それに大失敗している。
意外な展開でもなんでもない。
天邪鬼がごまかしながらかき乱しただけだ。

・今後のディズニースターウォーズのフランチャイズを確固としたもの
にすることも新三部作に課せられた課題だったろう。
ならエンターテイメントの王道のストーリー展開で良かったはずだ。
こんな形で神殺しをしてどうする。

・フォースの光の面に惹かれる体質だと前作で説明されたベンが、
どうスノークの手の元に堕ちたのかは、新三部作の肝のはずだが
ルークとの決別の瞬間だけを羅生門的に描いても
話の説得力や推進力が生まれるはずないのだ。

・またスノークは何者?スノークはルークの何を恐れ、
ルークは暗黒面の何を恐れているのか?これも肝のはずだ。
そこを描かかずスノーク退場とかするから、話も人物の思いも
何か有りそうに見えて、実のところスッカラカンの印象になる。

・EP7で新しいキャラクターを生み出したものの
話の基礎工事をおろそかにしたJJも戦犯だ。

・ルークには失望したけど、ジェダイの本は貰っていくって?
レイ最低だぞ、こんな描き方。
ルークとヨーダの場面も台無しじゃん。

・R2はルークのそばから離れず、最期を看取るべきだろ。

・一方的にやられていく反乱軍。
それはともかく、ワープ→攻撃→ワープ→攻撃を繰り返すとか
脚本も能が無さすぎる。ファルコンに全員乗れるくらいにまで
反乱軍の数を減らしてしまって、レイアもローラ・ダーンのキャラも
深い考えがある良い人でなく、これでは指導者失格だろう。

(追記)
・画面のルックはEP7よりもSW的。
メカやFO の室内描写もこちらの方が好み。

・問題はルークにレイとベンの関係がきちんと形を取らない処だろう。俳優の演技だけに頼って話は総論でなく各論でしかない。一方フィン、ポー側の話もグダグダで、監督としては意外な展開のつもりだろうけど、自分としては神経を逆撫でする形になってる。

・同じディズニーならMCU は上手く出来てるのにSWはこの展開をよしとしたのが信じられない。製作者の資質の違いか。ストーリーについて会議をしなかったのか ? と思うよ。

・話運びをスムーズに、キャラのその場での感情がエモーショナルに描ければOKではないんだな、というのがよ~~~~~~~く分かる一本であった。
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