Shaw

スター・ウォーズ/最後のジェダイのShawのレビュー・感想・評価

3.9
 サーガ完結と本作の賛否両論ぶりということで、改めてこの曰く付き映画を。

 結果、もうライアン・ジョンソン監督の勝ちです。大勝利。

 本作はあのホラー映画が「スタンリー・キューブリックのシャイニング」と題されたように、「ライアン・ジョンソンのスターウォーズ エピソード8」というタイトルにしたらいいと思う。

 批評家から絶賛され、一定数のSWファンから酷評された本作。よくある「批評家に好まれ観客に嫌われる」アート映画のような体系をとった大作という珍しい映画。
 でもよく考えると府に落ちる。

 J.J.による完結編はがっかりだったけど、ガチファンからしたらこんなに嬉しいことはないだろうと思うほどのファンサービスのオンパレード。
 だが偏った見方はできない批評家は、これにバツをつけた。ファンサービスのみで作られた作品だと。

 一方、ジョンソン監督の本作は、その恐れ知らずの大胆さで、観客も激怒しかねないほどの衝撃の展開を見せる。
 大作を撮って多くの観客に見てもらい稼ぐ。それが主流の興行成績派ハリウッド。
 そんな中、下手したらマネー面のダメージを負いかねないほどの大胆すぎる姿勢で本作を作ったジョンソン監督。

 近年において、その姿勢を貫き通し、観客に媚びずに本作を作り上げた新鋭に、業界人たちは感嘆した(かのジョージ・ルーカスも含む)。

 一方そのファン愛とは程遠いスタイルに観客は怒りを見せた。自分も最初はその一人だった。ルークよりもスノークの方の展開だが。でもその映像美はシリーズ中1位だと思う。

 商業性と作家性を両立させるのは本当に難しいが、結果として本作は(スターウォーズの名を借りているからでもある)、シリーズ中でも上位に入る高評価と興行収入をあげた。
 ジョンソン監督の手腕は、ハリウッドに希望をもたらした。その手腕はちゃんと評価された。

 でもJ.J.にも良さはある。ファンへの愛と、SWへの愛。彼もまた一人のファンであったことがよく分かる。

 そんな彼がまた新たな章を切り開き、そして完結させた。彼は間違いなく最高峰のSF監督として、新たに映画史に残る。完結編は納得いかない自分がいるけど、彼のことは本当に尊敬する。

 色々な意味で映画史に残る傑作シリーズです。
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