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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けのhomersimpsonのネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

きつい言い方をするが、オリジナルの6部作ファンには楽しめない。

7作目から見始めた方は楽しめるかもしれない、映像は派手で既に作り上げられ、市民権を得ているキャラクター、プロットを利用して作られているので、単品で見れば一定レベルのエンターテインメントにはなっているように思う。

ただはっきり言って旧来からのファンには到底受け入れ難い内容だと思う。正直文句を言えばキリがないが、あえて言うなら…

・旧3部作とほぼ同じ構図のシナリオ。隠居したジェダイの生き残りが恵まれた血筋の若者を修行する→若者強くなり隠居者はフォースと一体化→悪の親玉を説得して更生させて共闘→改心した親玉は死亡
こうするしかないのはわかるがもうちょいどうにかできなかったものか。シナリオの大枠は旧3部作と変わっていない。

・新キャラの安易なバックグラウンド設定。ハンソロの息子だシディアスの娘だ乱用しすぎ。

・ストーリーを不自然にしてしまうポリコレ。ローズとフィンのキスシーンは必要だったのだろうか。

・フォースの乱用。魔法みたい。テレパシーとか治療とか何でもアリ。

・ノリが軽くて、変なギャグが多い…

・シスの星なんか見せないで欲しい、しかもなんでシディアスがまだ生きているのか…

・主人公一行は何かあると「ジェダイが〜」とワイワイ騒いでいるが、これではジェダイを神格化してるんだか、安売りしてるんだか分からない。

・ルークが「伝説の」ジェダイ「マスター」なのも違和感がある。彼はあの後本当にマスターになれたのか疑問。デス・スターを破壊したのはハンソロやランドであって、ルークは人知れずベイダーとシディアスを始末したのが功績のはず。何が「伝説」なのかピンと来ない。

・レイが明らかに強すぎる、シディアスの娘という後付け設定があるにせよ全く感情移入できない。

・最後の最後にスカイウォーカーを名乗り出す。これだけは許せない。旧3部作はスカイウォーカー家の父子の物語でもある。そしてそれは新3部作のアナキンの苦悩から続いている。ぽっと出の主人公が自分の出自のコンプレックスを晴らすために勝手に亡者の名前を取るようにしかみえない。このオチは許せない。

総じて、一つ一つの場面の繋がりがうまく行っていない。本来プロットを練る際は人物の感情・背景等の内的要因と外的要因を考慮して一定の合理性を担保できるラインを決めるべきだが、本作においては明らかに先に「ウケを取りたい箇所」と結末を決めて、過程を作成している様に感じた。それ自体はありふれた手法だが、視聴者に感じさせてはいけないのでは。しかもビッグタイトルの続編なのだから責任感も持ってほしい。
本作が旧来のファンに受け入れられていないのはこの部分が非常に大きいと思われる。
すでに確立された世界観があるので、視聴者側にもシナリオの不自然さは伝わってしまう。「ウケる」ように作るのではなく、ちゃんとスターウォーズの世界の続きを作って欲しかったと切に思う。今からでも作り直して欲しい。

多くの点で6部作へのリスペクトを感じないシナリオとなっている。
評価できるのはナンバリングしなかったことくらい。

やはり、自分の好きな「スター・ウォーズ」はすでに完結しているのだな、と思い知ることができて良かった。
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