あらた

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けのあらたのレビュー・感想・評価

3.8
スターウォーズサーガの完結作。
細かい部分に文句をつけるときりがないけれど、何とか主筋は力技でまとめることに成功した印象。
正直「良かった!」と言うよりも「悪くなかった」というテンションだが、この難しい案件を「悪くなかった」に収めたのは凄いのかも。
全体としてアダム・ドライバーがとても良くて、EP1〜6がアナキンの物語だったように、EP7〜9はベン・ソロの物語として受け止めたい。

ただし、前半と後半で作品としての出来の差が大きい。
前半はともかく冗長。
パルパティーンのいる星に行くためのコンパス探しがメインストーリーなのだが、その過程が、SFC時代のRPGを思わせる「お使い」っぷりで、まどろっこしい。
AするためにはBへ行け→Bへ行ったら新たなヒントが与えられてCへ行くことに→Cへ行ったら…ずっとこんな感じ。
特に「C-3POがシス語を声に出せない→プログラムをいじれる人を探しにいく→メモリーが消去される」のくだりは、回り道のための回り道といった感じで、うんざりした。
しかも、その道中でピンチや土地の住民との接触があるのだが、そのどれもが薄味で面白みに欠ける。

途中の、カイロ・レンの覚醒(ハン・ソロとの邂逅!ハリソン・フォードのかっこいいこと!)の場面から、本格的に物語がドライブしていき、ぐいぐい引き込まれていった。
こことカイロ・レンとレイのライトセーバーバトンパスの場面とが、作中の白眉。
あと、レイ、フィン、ポー、チューバッカBB8、C-3POのチーム感は見ていて楽しかった。こういう楽しさはスターウォーズっぽい。
あらた

あらた