千年女優

ぼくとアールと彼女のさよならの千年女優のレビュー・感想・評価

4.0
自己評価の低い男子高校生で学校では悪目立ちしないように全てのグループと適度な距離間で付き合い、幼馴染のアールとの映画制作を趣味にするグレッグ。近所に住むクラスメイトで白血病を患った少女レイチェル宅への訪問を母親から強制された彼が、少しづつ病気に蝕まれていく彼女との交流を重ねていく様を描いた青春ドラマ映画です。

ジェシー・アンドリューズがシビルズ賞のヤングアダルト小説部門を獲得したデビュー作を原作者自らの脚本で映画化した作品で、監督には『カジノ』『バベル』『アルゴ』らで第二監督を務めたアルフォンソ・ゴメス=レホンが採用され、トーマス・マンとオリヴィア・クックにRJ・サイラーの織り成す物語が多くの映画祭で賞賛されました。

難病ものの青春物語ではあっても安易にドラマティックな展開にはせず、一種淡々と、それでも確かに育まれる関係性を、適度なユーモアを交えながら綴っています。地味なクラスメイトAも、早すぎる絶望も、くだらないオマージュ映画も、意味ないなんてことはないよと優しく示すキュートな一作です。「言っとくけど、彼女は死なないよ」
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