ユタ

ぼくとアールと彼女のさよならのユタのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

※この映画と、小説「煙か土か食い物」のネタバレも一部含みます。


人と関わる事を拒み無難に生きようとする高校生グレッグと友人のアール、白血病におかされたレイチェルの交流を描く。


誰かが生きていたと言う事はそれだけで価値がある事なのかもしれないし、無い事なのかもしれない。
誰かが死んだ時、その人生をどう受け取るかは自分次第だ。
私は、価値があるものだと思いたい。


この物語の良い所は多くの人が指摘するように、いわゆる難病ものなのだけど語り方が良い意味で少しドライで、変に泣かせようとしていない所。
肝心な言葉を面と向かって台詞で語らせずに、終盤のある展開で自然に描いている所も良かった。



そして、舞城王太郎の「煙か土か食い物」のこの一節を思い出した。

「生きてても虚しいわ。どんな偉いもんになってもどんなたくさんお金儲けても、人間死んだら煙か土か食い物や。」

「ねぇ、奈津川さん 人間は死んだら誰かの思い出になるのよ。
人間は死んでからも、生きていた証をいろんな形で必ず残すのよ」


人は死んだら、誰かの思い出になる。私たちは、思い出に背中を押されながら生きている。
人の思いは本来見えないものだけど、この映画ではそれが上手く視覚化されているように思った。