あずま

ぼくとアールと彼女のさよならのあずまのレビュー・感想・評価

4.6
これ!!とても好きな作品になった!!

なんか、なんだろう、おしつけがましくない!
感動系のヒューマンドラマもので、泣かせにいくぜ感がないとこがすごいいい!

ありきたりな切ない系とは違う。
映画っていろいろみてると、ハイハイどうせ死ぬんでしょ〜って中盤で思ったりして(なんならもうパッケージで分かっちゃったりして)つまんなくなるけど、実際大事なのってその展開そのものじゃなくって、それまでの過程なんだと思う。
そういう風に行きつくまでの過程で泣ける映画か逆に心カラカラにさせられんのかがわかれるのかな??


ちなみにこの映画で私はあんまり泣かなかった。主人公の彼みたいに。
それこそがこの映画の素晴らしさ。
彼の気持ちに気づけばすごく感情移入してたし、ひとつの体験を得たような感覚になった。

普遍的な作品でありながら、映画らしさのようなものでしっかりとつくりこまれてる感じがする。


主役の彼の、どこにでもいそうな人柄がとてもいい。サラッとギャグをとばす少しばかりのユニークさに自分にふつーに自信がないところ。すごく優しいけど、別になんでもかんでも優しいわけでもなく、リアルで一般的でいい。

冒頭の、病気になってしまった彼女の家に仕方なくいくシーン。
適当にギャグをとばして、ママが行けってうるさいから、僕のために頼むよって全く彼女に同情してないとここそが、取り繕わない彼の良さだなーって分かる大好きなシーン。


あとアールのことを、明らかに相性よくて2人でいることが居心地いいだろうに、親友とか呼ばずに「仕事仲間」なんて言って2人してサバサバしてるとこも男の子っぽいなぁーーーって感じでツボ。

物語の構成とか、シーンのちょっとポップな感じとか、アイスのキュートな感じとかもーー最高に好き!!
おしゃれ映画にふりきらない、ただそこに在るだけ、でも退屈すぎないくらいにチャーミングなバランスがもーーちょうどいい!!
あと、結局彼はこれからもそれなりに幸せで、なんとなく生きていくんだろうなっていうのを感じさせる、劇的さを全く含まないラストも好き。ほんとに、誰かの人生の一片を垣間見たかんじ。いい映画だなぁーー


誰かに熱烈におすすめしたくなるわけでもなく。なんか、小さいときに公園でみつけたビービーダンとかどんぐりをへへって思ってポッケにしまうくらいの?
自分のポッケにしまっておきたくなるようなお気に入り映画!!
あずま

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