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ぼくとアールと彼女のさよならのmochikunのレビュー・感想・評価

2.4
あらすじは面白いけど本編は劣化してしまったパターンの映画でした。ミシェルゴンドリーとウェスアンダーソンを足してポップな時のノアバームバックで割ったような青春物語って感じでしょうか。

タイトルに名前が加わっているわりには、アールの存在感が薄い気がしました。主人公を軌道修正する役回りではありましたし、ストーリーの構造上無くては成らないキャラではあったのは事実ではありますが、弱いというかなんというか。どうしても黒人でなければならない理由も感じられませんでした。
たぶん、それはアールだけに限ったことではなくて、キャラクターが立ちそうなんだけど、うまく写せていない、写しきれていないキャラが結構いたと思います。例えば、主人公のお父さん、先生、お母さん、ヒロインのお母さん(MILFっぽい感じを出そうとしているのか、はたまたそうでないのか、よくわかりませんでしたが)。ただ、アールのお兄ちゃんは絶妙な立ち位置で映画に味付けしていたと思います。とにかく、多くの登場人物が勿体無い使い方をしているように思いました。

ヘラジカの女の子がめちゃくちゃ可愛いってほどじゃないし、巨乳ってほどでもない。彼女の学内に於ける立ち位置も明確でない。ちょっと変わった割に可愛い女の子、って感じなんでしょうか。いずれにせよ、いつもアメフトのエースの横にくっついているわけでもないので、キャラクターがイマイチよく分からなかったです。もっともそれは、僕が少々ステレオタイプなだけなのかもしれません。

ストーリーもお涙頂戴展開で、20年前くらいに茶葉を急須に入れてから一度も新しいのに変えてないお茶を飲まされているような、どうしたって出涸らし感が否めない内容でした。
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