このレビューはネタバレを含みます
皮肉なナード野郎の主人公グレッグが送る、せせこましいハイスクールライフの中に、ガンの女の子っていう異分子が混ざりこんでくる前半の展開は良かった。
映画「50/50フィフティ・フィフティ」の時のセス・ローゲンみたいな感じで、病気だけど死を意識させない冗談めかした軽い会話でグレッグとレイチェルが仲を深めていく描写が心地よい。
しかし後半レイチェルが治療を諦める展開から、突然「死」の匂いが漂い始め、映画が湿っぽくなってくる。
ここから一転、俺の苦手な映画に。
うろたえる主人公の体たらくを見て、周りの人間が我先にと諭しまくるので、主人公に感情移入していた俺は、自分まで説教されてる気分に…
突然ドラマが真剣味を帯びてきて面食らう。あんなにおちゃらけてたのに、どうした?グレッグ!
展開に死が待つ以上、ずっと陽気な映画と言うわけにはいかないだろうけど、出来れば前半の空気のままで突き抜けて欲しかったな!俺は。
あと、黒人のアール、もうちょい中盤に見せ場あった方が良かったんじゃないかな?
タイトルにも名前あるし、パッケージでも、しれっとセンター陣取ってるけど、主人公の映画作りの時の腰巾着程度の印象しかなかったから、後半でシリアスドラマ担い出して驚いたわ。
急にイキり出した感じに見えてしまって、よろしくなかった。。。
パロディ映画ばかり作っていたグレッグが、死にゆくレイチェルのために初めてオリジナル映画を作るという設定は、
他人の目や意見を通してしか自分を表せないグレッグにとっての、初めての自己表現という、成長への一歩を上手く比喩していた。
電子音のBGMが気持ち良い。良い曲、ずっと聴いてられる。
あと学校の食堂、縦に長すぎてビビる。おぼん持ったアメリカンデブ同士はすれ違えないだろこれ。