nozomi

ぼくとアールと彼女のさよならのnozomiのレビュー・感想・評価

4.2

病気の女の子と男子高校生の青春ドラマ映画。

高校生のグレッグはこれまで人と深く関わることを避けてきた。

学校ではどのグループにも属さず、唯一の友人のアールは幼なじみで今も一緒に映画を作る仲だが、彼を「友達」と呼ばず「仕事仲間」と呼んでいる。

高校生活最後の年に、幼なじみ(今は学校で挨拶を交わす程度の仲)のレイチェルが白血病になったことを母から聞かされる。母からレイチェルを励ましてこいと命じられ、そこからグレッグの日常は一変する。

原題は「Me and Earl and the Dying Girl」=「ぼくとアールと死にかけの女の子」。直球すぎて正直驚きました。めずらしく邦題のほうが良い。

「死」を扱っているけど、ポップでコミカルな作風。「死」の捉え方が素晴らしかった。

雰囲気は、ガス・ヴァン・サントの「永遠の僕たち」とか、ジョシュ・ブーンの「きっと、星のせいじゃない。」あたりの作品に似ていると思う。

描かれているのは「友人の死」に初めて対面する少年の姿。死を間近に控えた彼女にどう接したらよいか悩む様子にリアリティがあり、迷いながら間違えながらもそれに向き合うグレッグの誠実さとか、レイチェルとの友情には熱いものが込み上げてきます。
 
プロムの夜、病室にいるレイチェルは具合が悪くて一言も話さないけどグレッグの作った映画を一瞬も見逃さないように見つめるシーンは非常に印象的。ラストのグレッグがレイチェルの部屋を訪れるシーンは涙なしでは観れない。

「死んだあとでも、その人を知ることができる」。悩むグレッグにアドバイスをしたマッカーシー先生の言葉もとても素敵で深い言葉でした。
nozomi

nozomi