Screen7

ぼくとアールと彼女のさよならのScreen7のレビュー・感想・評価

4.4
ああまた好みドンピシャな映画に出会えた。改めて私はこういう青春映画が大好きだと実感。数回"恋愛映画だったらここで…"ってナレーションが入るけど、恋愛映画じゃ味わえないだろう良さが今作にはありました。“夏(サマー)"って"サム"の比較級かな?”とか台詞がさりげない面白さがあるのもいい。好きな台詞沢山あったな〜。

優等生も不良も目立つ子も地味な子も変わり者も色々な人がいる場所である高校を、それぞれの国という捉え方をする主人公。常に客観的で八方美人な彼は、その"国の人々"に深入りはしない。更に彼は、第三者から見たら親友と言ってもいい存在のアールを"仕事仲間"と言うし、 自分と彼女は"絶望的な友情"で結ばれているという、周りの人とあっさりとした対人関係を築いている男の子。

しかし、母親に言われて渋々白血病を患った女の子・レイチェルの話し相手になったことから彼の日々、彼の人柄、彼の人生は変化していきます!『(500)日のサマー』のように彼女と出会ってからの日々を数えながらエピソードが紹介され、パートが変わるごとに目次のように短くその日がどんな日だったのかが説明されます。

今作といい『ブリグズビーベア』といい、映画製作のお話ってなんでこうも愛おしいのでしょう!映画のパロディが映画ファンには堪らないはず。手作り感満載なパッケージとかチョロっと出てくる彼らの作った映画とか、本人たちが駄作って言うくらいだから完成度が高いものでないんだけど、なんか心をくすぐられるし微笑ましい。映画製作と話逸れるけど突然のウルヴァリンとかも笑えたなぁ笑

熱い友情!とか固い絆!みたいなわざとらしい演出はないのに、グレッグとアール、グレッグとレイチェルの友情の素晴らしさに心揺さぶられました。病室の場面は、音楽も光も2人の表情も何もかもが忘れられない光景。そしてラストのレイチェルの部屋のシーンも…。
時間は限られたもの。だけど自分の大切な時間以上に、大切な友達との時間は価値があることを教えてくれた気がする。
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