あらかじめ低く設定したハードルの更に下をのそのそと這っていくような130分。そう、130分もあるのだ。1991年のアニメ版は84分、シーンを追加したIMAX公開版でさえ92分。もちろん、ストーリーの大筋は変わっていない。この時点でお察しだ。
アニメ版を下敷きにしてはいるのだが、意図が不明・もしくは余計としか言いようがない細かな改変や付け足し・省略が死ぬほどあり(それでいて、どうでもいい部分で原作やアニメ版へのオマージュをちょいちょい挟んできやがる)、そのせいでテンポや作劇上のスマートさは著しく損なわれている。言い出すと本当にキリがないので、ポイントごとにいちいち論う気力も湧かない。画も全体的に駄目(カメラが酷すぎ)で見所に乏しく、CG特盛りの映像表現にせよ、25年以上前のアニメーションが放つ輝きの足元にも及ばない。
あと、やっぱりエマ・ワトソンは完全にミスキャストだし、彼女の役者としてのポテンシャルも低いと思った。ユアン・マクレガーは良かった。