やた

美女と野獣のやたのレビュー・感想・評価

美女と野獣(2017年製作の映画)
3.7
「魔法は現実にあった!」と思わせるような映像美。
晩餐のシーンと、ベルのドレスに刺繍がほどこされていくシーンがとにかく素晴らしかった。晩餐のほうはヤバいのをキメたような感覚になれる。
野獣の造形とか、ポット親子のデザインとか違和感を抱いていたものが、人間に戻った時に「ああこの造形が必要だったんだな」と納得出来て良かった。

ただ脚本や構成の面からすると、歌で説明を済ませてしまってるところがもったいないなと感じた。
原作アニメ未見の人間としては、いきなり「ベルは美人だけど変わり者」と村人に合唱されても彼女の何が変わってるのかわからない。後にある本や勉強が好きで、広い世界に憧れ冒険を望む、というベルの性質を描くシーンを冒頭に持って来てからのあの歌ならもっと説得力があったのにと思う。

ベルが「自由でいたい」と願う気持ち、マダムに女装させられた銃士が目覚めるところ、ル・フゥの恋愛対象についての描き方など「自由に生きて」というメッセージが随所に表現されているところが好きだった。

エンディングも良かったけど、欲を言えば主題曲でシメて欲しかったな。あの鉄板のメロディの余韻を残して劇場を出たかった。
やた

やた