わたふぁ

美女と野獣のわたふぁのレビュー・感想・評価

美女と野獣(2017年製作の映画)
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1946年のコクトー版はフランスの名作で、2014年にそのプライドをかけて仏女優レア・セドゥ主演でリベンジを誓ったが不発に終わる。コクトー版から45年後の1991年にアメリカのディズニーアニメーションが打ち立てた金字塔は他の追随を許さず、結局、実写で作るならその傑作を「自前で焼き直しするのがベスト!」ってことで、今年誕生したリメイク版。
私はその91年のディズニー版がオールタイムベスト20に必ず入るくらい大好きなので、忠実に再現すれば70点以上は確実でしょう、とは思っていたけど。

アニメをフルCGに変換したところで...ねぇ?
と、最初はシラケちゃいました。

野獣の人面魚みたいなキモち悪いデザインからしてそうだけど、
ベルも、馬のフィリップも、お父さんも、時計も、ロウソクも、ポットも、カップも、みんなアニメの方が表情豊かです。
ディズニーのセルフカバーみたいなことで、完全に焼き直しだし、物語の出来事の全てが周知の事実だから退屈にも感じるし、そこに想像を超えるような新しい光景はなかった。
金字塔は超えられるわけない、っていう前提で作られた“安全牌”なの?

なんて斜に構えながら、途中から「アニメ版また観たいな〜」とか思い始めてました

けど、クライマックスのクライマックスで食器や家具たちが本来の姿に戻るときに、“本物の人間(実写)”ってのはやっぱり泣ける!!!呪いが解き放たれた“ひとしお”感が尋常じゃない!!!これは実写版にしか創れない光景でした!!!王子にダン・スティーブンスっていう配役も地味で絶妙!!!