鰹よろし

爆発感染 レベル5の鰹よろしのレビュー・感想・評価

爆発感染 レベル5(2007年製作の映画)
3.1
 感染の始まりとして、身体的接触を受けての車なり飛行機なりの移動手段を映し出しているのはうまい。感染拡大の経路とウィルスの媒介とを一手に担っている。

 そして空中を彷徨う幽霊視点のようなウィルスの視点を描き出すことで何を媒介にどんな人間が感染してしまうのかという危険性が一発でわかる。うん、みんな危ない。

 未知のウィルスによるパンデミックとその対応に追われる者たちとの攻防がメインであるが、媒介媒体がわからないことでの感染という見えない恐怖というよりは、感染拡大の過程とどうしても後手にならざるをない対策とを照らし合わせることでの追いかけっこを眺めてみての、感染の危険をわかりやすく見せるというところがこの作品の見どころ。

 そして恐れるべきは感染という自然の驚異だけではないとして、人為的な要因も詰め込まれておりあらゆる可能性を考慮・示唆しているところも好感。ただ前編後編と一本で観ようと思うと長い。一日ないし一週間空けてドラマとして観るのに適したテンポだと思う。
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