このレビューはネタバレを含みます
実在の冒険家パーシー・フォーセットを描いた、伝記映画。
なんとなく、インディー・ジョーンズ的なアクション・アドベンチャーを期待していたのですが、思ってたよりもエンターテイメント要素は薄め。
それよりも、主人公が冒険の狂気に囚われていく様子を描いた、人間ドラマとなっています。
よくよく調べてみると、実在の人間を描いた伝記映画という事で、それも納得。
パーシー・フォーセットの冒険ではなく、“人間”を描いたのが本作なのでしょう。
ちなみにパーシー・フォーセットはインディー・ジョーンズのモデルになった人物との事で、インディー・ジョーンズをよりリアルに、よりシリアスにしたのが本作と言えるのかもしれません。
ただね…インディー・ジョーンズからエンタメ性やユーモアを抜いた映画なんて、誰が見たがるんだろう?とも思いました。
本作を見る事で、逆説的にインディー・ジョーンズの偉大さを感じましたよ。
主人公が結局、何も発見せずに終わるのもモヤモヤしたし、息子と冒険に出る件は熱いものの、家庭をほったらかしにした件がウヤムヤになるわけではないし…。
人間ドラマでありながら、あまり主人公に共感出来ず、尊敬も出来ない…というのが、ハマらなかった要因ですかね。
監督は『アド・アストラ』のジェームズ・グレイ。
未知の場所に冒険する…というモチーフは『アド・アストラ』と共通する部分ですし、とにかく陰鬱なトーンというのも共通する部分で、この監督の作家性がなんとなく分かりました。