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リトル・ボーイ 小さなボクと戦争のKのレビュー・感想・評価

3.7
ずっと、「第二次世界大戦中のアメリカでの、日本人とアメリカ人少年との交流もの」だと思っていて、まあ間違いではなかったけど、でもそれはメインじゃなかった。
確かに少年にとってハシモトとの交流は大きな出来事ではあるけれど、これはほんの一部で、ひたすら父親を愛し、父親に帰ってきて欲しい少年が奇跡を信じて頑張る話でした。

少年の純粋さと父親を思う気持ちがストレートに伝わってきます。あと、子どもという存在がどれだけ周囲の人間の影響を受けるのかというのも、ちょっと感じた。


この少年にとっては、この戦争というものは「父親を奪ったもの」というだけで、それ以外の要素はまだあまり意識してないんだろうなぁ。色んなところで国籍を問わず多くの人が命を落としていることとか。
この子が大人になった時、また自分の子供時代を振り返ったら、きっとより多くのことを思うのだろうけど。
子どもってきっとそんなもんですよね。愛する人を奪われた、という、自分の身近なこと以外はよく分からない。
もちろん大人にとっても、愛する人の存在が一番であることには変わりないけど。
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