何もかもが究極的

マイ・ライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフンの何もかもが究極的のレビュー・感想・評価

3.8
ヒットした前作の重み。ハリウッドで作品をさせる事は、世界を相手にした事になり特別な意味を持つらしい。そういう意味で、レフン監督の又とない人生の面白い時期を切り撮っている。
ヒットした前作、つまり「ドライブ」を非常に意識して、あれより面白いか?ヒットするか?受けがいよいか?など執拗に終始気にしている。
そこから読み取れるのは、何とか映画を「要領よく」「上手く」撮る方法がないかと苦悩している姿勢だ。この映画の結論から言うと、それは出来ない。少なくともレフン監督には出来ない。それを本人が理解出来たかは、本作では語られていない。
だが、第三者から見ればレフン監督が、映画を作るその時その時で考えたり苦悩していたりする事が、映画に滲み出ていてそれが彼の映画の面白さの根源であると思う。
彼の映画は、完全な生物であって
彼は作ることで人生で一期一会しかない自分の一部を切り売りしているのだ。
自分の肉を切って売る、肉屋のようなイメージだ。