のら

さらば あぶない刑事ののらのレビュー・感想・評価

さらば あぶない刑事(2016年製作の映画)
2.0
人気ドラマシリーズの最終作。

前作の「まだまだ あぶない刑事」が比較的現代風のアレンジだったのとは対称的に、本作は 80年代東映ドラマの雰囲気を残した作りになっている。

また刑事モノで最終作という触れ込みだと普通なら殉職を連想する所だが、本作は主人公コンビの定年退職で幕を下ろす形になっており、無事に定年退職を迎えることが出来るのか?というのが話しのテーマになっている。

しかし本作が残念なのは主人公コンビの老いが話の中に盛り込まれて居ないことだ。退職後どうするか?という話は出て来るが、肝心の老いが出てこないまま、いつものアクションシーンに突入するので、キレが悪くて痛々しい。

また敵役の吉川晃司自体は、扱う技が吉川晃司らしくて良いのだが、シリーズ最後の敵としてはインテリヤクザ的な役回りはもったいない。さらに菜々緒の雑な扱い方にも疑問を禁じ得ない。

全体的にドラマ版を再現しようとしている事は分かるし、最終話として方向性も間違っていないのだが、30年前と同じことが環境的にも演者の体力的にも難しいのは明らかで、そこに対する解決策があまりにも無い。

またこれが本作の一番問題だなと思う部分で横浜の街並みがあまり出てこないので、現実の横浜に本当に主人公のコンビが生活しているようには見えない。主人公たちの定年退職という魅力的な題材を持ってきながら上手く料理できずに終わってしまっている。
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