カッチェ

クーデターのカッチェのレビュー・感想・評価

クーデター(2015年製作の映画)
4.0
感想①「こんなに疲れる映画は久しぶり」
観てる間、とにかく疲れました。もう早く終わってくれと何度思ったことか。でも久しぶりにこういう気分を味わえる映画に出会えたな、という満足感がありました。でもこれは、体調が良い日に観ないと駄目ですね(笑)

感想②「海外に行きたくなくなる」
近頃はどこでテロが起こってもおかしくなく、海外に安心して行けなくなりましたよね。ただこの映画はテロではなく、タイトルの通りクーデターが題材。主人公一家は、仕事の関係で東南アジアの某国に海外赴任します。とりあえず滞在先のホテルへと到着した彼らでしたが、次の日にはクーデターが発生。幼い娘2人を抱え、いつ殺されてもおかしくない描写の連続に、映画を観てる間、心の中で何度日本に生まれてよかったと思ったことか。

感想③「外国人というだけで処刑」
途中でなぜクーデターが起こってしまったのか理由は判明しますが、外国人というだけで次々と処刑されていく理不尽っぷりに困惑しました。凶器を持った暴徒達が街中に溢れかえり、主人公一家が滞在しているホテルにも襲撃の手が。一部屋ずつ扉を蹴破り、中にいる外国人を無残に殺していくその残虐性。女性だろうが、高齢者だろうが、子供がいようが関係ありません。赴任したばかりで言葉も分からず土地勘もない彼らは、どこに逃げればいいのか?なぜ自分達は命を狙われるのか?何ひとつ分からずパニック状態。映画を観ているだけなのに、あまりの緊張感に私まで息苦しくなりました。

感想④「ホラー映画よりも恐ろしく生き残れる気がしない」
どこに逃げても敵だらけ。全国民が集団心理によって外国人を見掛けたら殺さなければならない、外国人を匿えば自分が反逆者として処刑されるような状況。少しでも油断すれば狙撃され、捕まれば残虐的に殺されるか見せしめとして公開処刑される。さらに主人公夫婦にはまだ幼い娘2人がいるので、走って逃げるだけでも一苦労。撮影中もちろん配慮はされてたでしょうが、子役の2人はトラウマにならなかったか心配になりました。

感想⑤「唯一の癒しであるピアース・ブロスナン」
幼い娘2人の可愛いシーンで最初こそ癒されますが、途中からは心臓に悪いシーンを主に与えてくるのがこの2人なので、ピアース・ブロスナンがこの映画の唯一の癒し要員です。見た目はかなり老けてしまった印象を受けますが、得体の知れない役柄もあって彼が出てくるシーンなら大丈夫だろうという謎の安心感。

感想⑥「舞台になったのは某国」
某国ですから、映画の中では国名は出てきません。隣国名は出てきたりするので、何となくは想像できますが…東南アジアが舞台となっているだけで、どの国でも起こる可能性はありますよね。ちなみに撮影地となったタイでは、この映画は上映禁止となったそうです。鑑賞すれば分かりますが、本当に精神的にキツい映画なので上映禁止になるのも理解できます。というか、よく撮影許可出したなと思うくらいの内容ですからね。
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