Yま

悲しみの忘れ方 DOCUMENTARY of 乃木坂46のYまのレビュー・感想・評価

4.0
西野七瀬の卒業発表を聞いて公開当初以来約3年ぶりに鑑賞。
橋本奈々未の卒業とともに乃木オタを辞めてから早1年半、とうとうこれを平常心でレビューする時が来てしまった。

基本的に本作はAKBのドキュメンタリー映画の流れで製作されており、本家同様アイドルを愛でるタイプの映画ではない。
むしろ本家以上にメンバー個人にスポットを当て、メンバーのトラウマ的な部分に強く踏み込む作りになっている。

そしてメンバーというフィルターを通して、見ている側も同じような過去のトラウマと直面させられる。
この映画を見ていて胸が苦しいのはメンバーが苦しんでいるからではなくて、自分自身にも同じようなトラウマや思い当たる節があって、それを乗り越えようとしてもがいているメンバーに自分を投影しているからだと思う。

アイドルは初めからアイドルではなく、活動を通じて過去の自分を乗り越えてアイドルになっていく。
映画内でその過程を一番顕著に見せてくれるのが、先日卒業を発表した西野七瀬である。
最初はただの内気な大阪のギャルだったのが、8枚目シングルのセンターに選ばれた頃にはすっかり顔付きが変わっている。
センターという大役を果たした西野は、その後現在に至るまで乃木坂の中心人物として活動していく。

各メンバーのトラウマにスポットを当てつつ12枚目シングルまでの大まかな活動を振り返って、ラストはこの映画のために書き下ろされた「悲しみの忘れ方」が流れてエンドロールで終幕。
映画のために秋元大先生が書き下ろした曲とあって、この曲がまたいい。映画館での初見の時はエンドロールで泣いてしまった。

橋本奈々未、深川麻衣、生駒里奈など、すでに卒業してしまったメンバーも含めて全てのメンバーの将来が明るいものであることを心から望む。
Yま

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