ルサチマ

丘陵地帯のルサチマのレビュー・感想・評価

丘陵地帯(2009年製作の映画)
4.6
『天竜区』シリーズとともにドキュメンタリー映画史を革新させる存在である『TERRA』の前に鈴木仁篤とロサーナ・トレスがポルトガルの斜面を前に手持ちカメラで立ち向かっていたことは興味深い。

今回の特集でのペーター・ネストラーがロングショットで近代化に汚染されていく世界を提示したのだとすれば、『丘陵地帯』は近代化から取り残されたような斜面の地形の赤土や、そこにひっそりと咲く花を接写で示しながら、雄大なロングショットで斜面全体の世界を提示する。接写した小さな存在が世界全体を構成することを鈴木とロサーナの撮影は文字情報に頼ることなく打ちつける。
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