ギャス

スティーブ・ジョブズのギャスのレビュー・感想・評価

スティーブ・ジョブズ(2015年製作の映画)
3.1
彼は実際、何の天才だったのかと思いを巡らせる。
でもそこがよくわからない事がつまり彼が天才だった証拠なのだ。凡人にはその発想もそれを押し通すクソな人格も無い。

この人が天才であるエピソードやバックグラウンドがメインになるのかと思ったが、
実際は仲間や、特に娘との関係性から透けて見える彼の葛藤や"欠陥"の話だった。

しかし、足らない父親として娘と向き合っていたラストシーンの後、
「500曲の音楽をお前のポケットに入れてやる」の発言で、彼が突然普通の父親ではない姿として立ち上がってくるのが印象的だった。そうだった、彼は天才なのだった、と。
そして、父としての愛の印の「絵」と大衆の待つ会場へ登る彼がとうとうイメージとして融合するシーンは感動的で、ずるいほどだった。
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