あえかなのぞみ

ナチスの強制収容所/ナチス絶滅収容所のあえかなのぞみのレビュー・感想・評価

3.2
コンセントレーションキャンプ解放後のドキュメンタリー。「夜と霧」よりも淡々とした印象。
山積みになったユダヤ人、各国の捕虜、政治犯たち。彼らにも人生や喜びや哀しみがあった。我々の中にもある邪悪で醜い部分をナチスが体現している。それらは絵空事ではなく実際に起こり、これからも起こるかもしれない。自らの深淵を覗き、自らを戒め、NOを言える人間でなければ、知らぬ間にこのような地獄に加担することになる。映画とは想像力を掻き立て、他者の人生を自己投影し、考える力を養ってくれる。
映画好きの友らよ!他者の痛みに寄り添い、人間性を屠る輩に人間性と知恵を持って抗ってくれ。弱い者は守り、強い者は挫け。勇気を、誇りを忘れずに。