『理由なき反抗』などで知られるニコラス・レイ監督のデビュー作。
1930年代アメリカ中西部。刑務所を脱獄したばかりの若者ボウイが、銀行強盗直後に交通事故で怪我を負う。看病してくれたキーチーと恋に落ちる。
"I love you."
アウトローとして、"夜の人々"としか生きられない若い男女の破滅的な恋愛逃避行劇。想像以上に、青春恋愛要素が強かった。瑞々しくも繊細で痛ましく、美しくも切なく儚い。
暴力と犯罪を繰り返しながら、刹那的に生きる若い男女の姿。アウトローの人生から抜け出せない若者の悲哀。貧困にあえぐ庶民から共感を得るアウトロー。アメリカン・ニューシネマの代表作『俺たちに明日はない』の先駆けと言っても良いようなフィルム・ノワール映画だった。
ボウイ&キーチー。キーチーのキャラクター設定が興味深い。フィルム・ノワール映画に登場するメインの女性キャラクターであるにも関わらず、男の運命を狂わせるファム・ファタールではなく、主人公ボウイを犯罪生活から足を洗わせようとする良心的存在であった。
・オープニングのアクションシークエンスは、映画史において、ヘリコプターを使って空撮された最初のアクションシーンの1つ。当時、ヘリコプターショットは主に景色を撮るためだけに使われていた。これは、映画監督ニコラス・レイが初めて手掛けたシーンとなった。
"Learn that, Alvin. Just-married people like to be alone."
317