気高い海の男が女を求めて陸の男に成り下がったことで起きる悲劇。
三島由紀夫の原作に忠実に基づいているとのことだが、この際どい内容を日本映画の雰囲気で観たいかと問われると正直微妙なので海外で映画化したのは正解かもしれない。
男くさいクリス・クリストファーソンも秘密クラブを結成する早熟なクソガキどもには勝てず、ああ無念。早熟なクソガキは現実だと大嫌いなのに虚構のなかだと光輝いて見えるのは何故だろう。
ラストのクソガキたちの手によっておぞましい行為が行われているであろう引き画とともに流れるクリストファーソンの『Seadream』のインストが儚げで、美しくて、それがまたいい。