てくのすけ

悪党に粛清をのてくのすけのレビュー・感想・評価

悪党に粛清を(2014年製作の映画)
3.5
荒野を吹きすさぶ風の音も荒々しく始まる復讐の西部劇。復讐の理由となる描写が丁寧すぎてカタルシスよりいたたまれなさのほうが残るけど、搾取する者の横暴と虐げられる者の歪みをタイトな尺に無駄なく詰め込んでる。善人などいない、いるのは悪党と卑怯者と臆病者だけなのだ。

マッツ・ミケルセンの苦悶の演技が胸を締め付けます。馬車を追って走るときの絶望感が凄まじい。終盤はもう「やったれ!」って感じですよ。あとエヴァ・グリーンが一言も喋らず、代わりにあの大きな目だけで心情を語るのは凄い。果たして原題のSalvation(救済)は誰の救済たりえたのか……
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