菊地凛子がコーエン兄弟の『ファーゴ』を見て実際の話と思い込み、ブシェミが隠した大金を探しに行く話。
タイトルと言いジャケットと言いコメディっぽいんだが、そうでもなくて。夢のある話だけど現実は重い。結局その夢を信じているのは菊地凛子だけで、見てる側は作り話だってわかってるし。このクソ現実のターンと夢のあるターンの行ったり来たりがなんとも物悲しい。
前半パートは東京。行き場所をなくした菊地凛子が赤いコートを着て街ナカをウロウロ。人形町の快生軒とか、ロケ地巡りしたい。その赤いコートでノースダコタの雪の中に行くのが待ち遠しい。
『バベル』なんかよりよっぽど菊地凛子の魅力が詰まってる。最後の笑顔は映画史に残る。ノースダコタで「毛布を着た女」と呼ばれてるの笑った。つーか染谷将太と結婚してたのね。知らんかった。
誰かが「東京には夢がある。でも君の来る場所じゃない」と言ったそうな。そんなこと言うなよ、と思う。来たっていいじゃん。
「東京には夢はあるけど何もない」という言葉も聞いたことある。なんかファーゴ行きたくなってきたな。夢はなさそうだけど、夢以外のものはいろいろ詰まってそう。
すげー細かいこと言うと、日本で買ったDVDはアメリカでは再生できないと思うんだが、あの保安官はリージョン突破するスキル持ってるのな。
空港で勝手に観光協会してる宗教勧誘の二人組はコーエン兄弟っぽくて楽しい。
あと、半蔵門線で毛づくろいするブンゾー可愛い。