ベルサイユ製麺

トレジャーハンター・クミコのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

3.1
あれ?沢田研二も妖怪も出てこないな…。

今作は独立した一本の映画では有りますが、やはり『ファーゴ』は観ておいた方が良いと思います。『ファーゴ』がどのようなリアリティラインの作品なのか分かっておくと、物語のコクがうんと深まりますので。「ギニーピッグ通報したチャーリーシーン かい!」ってツッコミたくなる、というか、クミコは劇映画の概念を知らない…⁈

物凄くインディーな作品を想像していたので、思いのほかしっかりした作りに驚かされます。
前半のパート、とても良いです。陰鬱で逃げ出したくなるような、クミコにとっての魔都東京の雰囲気がバッチリです。ビデオデッキのクラッシュシーンなんて、不気味なBGMも相まって塚本晋也みたい!って思っちゃいました。
一方、後半のファーゴへの旅(地名だったんだっけ?忘れてたー)のパートはちょっと退屈ですかね…。同じような風景が続きますし、オチのちょっとした飛躍も目新しくは無いと感じます。
正直、地味な話ですし、膨らましにくい(面白がりにくい)題材であるにも関わらず、それなりに見せてしまう監督の手腕はなかなかの物ではないかしら?ひょっとしたら数年後にマーベルとかやってるかも?

クミコの孤独な魂を見事に演じた菊地凛子さんは、ある種の役柄には恐ろしいほどのシンクロ率を見せますね!…セーラー服はどうなのよ、とか言いたいわけではないですよ。。

ところで、この作品の元になった事件も、事実ではないそうで…、今後、ファーゴを事実と信じて、宝探しに出かけたクミコの物語を事実と信じた人が、クミコの死体を探しに、という都市伝説を…面白く出来ないので以上です。