オチは確かに途中で読めるんだけど、話の展開だけが大切な訳じゃないと思う。
１つの夫婦が永年傍にいて、辿った人生。
「優しさに気付かせないようにするゲーム」の話が一番ガツンときた。お互い大切に思っていて、それぞれに思いやりがある筈なのに、言葉ひとつひとつが棘のように胸に刺さって素直になれない。そういうことってきっと日常茶飯事なんだと思う。パートナーだけでなく、色んな人の優しさに気づけるようになりたい。久しぶりに胸がザワザワとするような、揺さぶられるような、暖かくて物悲しい作品を見た。
確かに死体はゴロゴロしてるし自然は怖いけれど、怖いだけじゃない美しい青木ヶ原が描かれている。死に場所を探して辿り着いてしまうその気持ちもなんとなくわかってしまいます。
