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エンドレス・ポエトリーのrollinのレビュー・感想・評価

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)
5.0
ホドロフスキー宇宙大明神による自伝的メタギャグサーカス第2弾!!

感想はとにかくめっちゃウケるの一言。
88歳の監督がクリストファー・ドイルの撮影も相俟って、ここへ来てさらにハジけた(洗練された)という印象でやんす。最高!

前作で放尿&一人ミュージカルという最強の母ちゃんを演じたパメラ・フローレスは勿論絶好調。しかし、今回一人二役で演じた新キャラ、赤髪鬼ステラはさらにその上を行くインパクトを放ち、主人公アレハンドロと連れ立って歩く時の拷問的クリエイティブな恋人つなぎや、最早暴力でしかないおっぱい等、全てが規格外。

青年時代の主人公を演じる監督の末息子アダンは監督そっくりやし、父親を演じたブロンティスと、突然画面に見切れて演技指導をし始める監督の3人が並ぶと、これはもう世界一贅沢なホームビデオやん!てなりました。

本作では監督の集大成とも取れるような過去作の面影も感じたし、多分歴代作品の中でも一番ストレートで見易い。
ロイ・アンダーソン監督が人生の悲喜こもごもを遠目から見守ってユーモアを抽出するとしたら、ホドロフスキー監督は全力で彼らの人生に介入してユーモアで哀しい歴史を訂正していく。それは勿論監督以外の何者でもない自身の人生であるから為せる演出やし、それこそがこの映画のミソ。

人生はシュルレアリスム。一人間として世界に心を開き続ける監督は、ザ・ワールド・イズ・マインのモンちゃんさながらに自分を肯定してるし、僕も僕を肯定する。
地震、雷、火事、親父、生理も小人も梅毒も、全てが生きろ、ええじゃないかと伝えている。

人生はただのギャグ。
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