すずき

エンドレス・ポエトリーのすずきのレビュー・感想・評価

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)
3.7
前作「リアリティのダンス」の続編。
故郷を出たホドロフスキー一家。
詩人を目指すアレハンドロ少年は父親からの抑圧に耐えかね、家を出る。
少年から青年になったアレハンドロは、駆け出し芸術家の集う家で生活する。
そこで出会った様々な人々、そして別れ、喜びと困難が彼を待ち受ける…

現実をホドロフスキー青年のフィルターを通して、幻想的に描く。
美しさも汚さも、全てが存在する映像は、まさに詩のような世界だった。

トキワ荘に集まる漫画家のように、それぞれのアトリエとして集まって住む、個性豊かな若き芸術家たち。
行動こそ詩だ、と前衛的なパフォーマンスに勤しむ彼らは、割と現代日本の芸大生にもあるあるじゃないだろうか。

しかし前作「リアリティのダンス」のインパクトには及ばなかった印象。
父親との確執も、前作で描ききったかと思ってたら、今作でも繰り返されてるし。
でも父親との別れという過去を、現在のホドロフスキー監督が救いある形に改変する演出にはホロリとくる。