ノッチ

アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たちのノッチのレビュー・感想・評価

3.5
1899年クリスマス・イヴのイギリス。辺境の地にそびえ立つ、ストーンハースト精神病院。

閉ざされた病棟で、新米医師を襲う謎の事件とは…。

19世紀末のイギリスを舞台に、新たな治療法で評判の精神病院を訪れた学生を襲う事件を描いたサイコスリラー作品。

豪華俳優陣を使い、エドガー・アラン・ポーの短編小説を映画化したという本作は、おどろおどろしい雰囲気が漂うゴシック・ミステリーだ。

映画ポスターに『あなたは、この謎が解けるか』とあるように、この映画には仕掛けがあります。

勿論、それは観てのお楽しみでここでは触れません。

1800年代、精神病の謎を解き明かそうと、人体実験で脳をいじくり回していたことを知っている人は、その時代設定だけで嫌な予感がすることでしょう。

この時代にまかり通っていた非人道的な治療方法を考えれば、いかにも有りえそうな話です。

確かに濃厚な空気に支配されたこの雰囲気はなかなかのものだった。

二転三転する脚本も破綻なく纏められていたし、誰もが秘密を抱えていそうな怪しげなキャラクターたちを、個性豊かに演じた役者陣もみないい仕事をしたと言っていいだろう。

誰も信じられないという典型的なミステリーですが、役者や構成がしっかりしてるから最後までだれずに観れます。

キワモノかと思いましたが、若干グロ描写はあったけど最後まで楽しめました。

最後の大どんでん返しを、ミステリーファンが思わず唸ってしまうようなもう一工夫あれば更に良い作品になったのではないでしょうか。

とはいえ、最期のオチは狂気を感じました。

多数決の結果が常識ではなく、常識と思いこんでいるだけなのかもしれないなと固定観念にとらわれて、小さな世界で物事を考えないようにしようと思う。
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