ナガ

ガラスの花と壊す世界のナガのネタバレレビュー・内容・結末

ガラスの花と壊す世界(2016年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

【ガラスの花とポストモダンの庭】

この作品はっきり言って面白くない。なぜ面白くないか、それは肝心の物語の真相をほとんど掘り下げをしないままに、登場人物の説明だけで明かしてしまうからである。前半にせっかく興味深い設定と舞台を用意したのに、肝心の種明かしがおざなりでは何のカタルシスも感じない。

まあ面白くないということを語るレビューはもっと面白くないのでこの作品の設定部分について少し考察してみたい。

この物語の設定では時系列は今から約100年後である。マザーと呼ばれる存在が仮想世界(理想世界)を構築するOSを開発、起動し世界をシステム化する。登場人物3人はそんな仮想世界のウイルス消去プログラムである。

この作品の世界観においては世界のバックアップということでいくつもの世界がパラレルワールドのごとく存在する。その世界で生きる人間は自分がバックアップの世界で生きているなど微塵も感じることなく普通に生活をしているのだ。

物語の本筋においては現実の人間の世界は滅亡してしまったという方向にすすむ。

ここからたらればの話になるが、滅亡してしまった現実世界と言われる世界もただのバックアップだなんてことはなかろうか?バックアップの中で生きる人間を軸として考えるなら、滅亡した世界も1つの世界線に過ぎないのだ。

映画の見過ぎだなんて言われるかもしれないが、自分は夢を見ると、その夢の世界線は実際にあって、自分は夢という形でその世界を垣間見ているのではないか?なんて考えることがある。

この作品においても登場人物たちは自分たちが何物なのか、この世界は何なのか?というよりは自分たちは何のために存在するのか?自分たちが存在する世界はどの世界線なのか?という問いを根底に持っているように感じられた。まさにポストモダニズム的な考え方がこの作品に感じられるように思う。

僕の関心はいつもWhat is the world?ではなくWhich world is this?なのである。

世界観が好みだっただけに、それを出しなしにする展開や演出にはがっかりである。