いーみー

いーみーの感想・レビュー

太陽(2016年製作の映画)
4.6
ウイルスにより分断された2つの世界という、一見現実離れした設定だが、ほどなくしてそれがまさに世界で起きている対立、差別、争いの象徴なのだと感じ、自分の問題として向き合わずには入られなかった。わたしはずっとこういう作品を観たかった。

この作品には入江監督にしか描けない監督自身の世界との向き合い方、世界観が表現されている。このような価値観を揺さぶられるような骨太のノアールをもっと観たい。

煙立つ山々の風景、殺伐とした村の様子など、映像に圧倒的な力と説得力がある。撮影の近藤龍人さんの力が効いている。また、主演のふたりのほか、鶴見さん、高橋さんなど脇をしめる役者の演技も素晴らしかった。音楽の使い方も渋い。SRのオマージュと思えるシーンがあり、思わず顔が緩んだ。

観終わったあとは圧倒され、時間が経つにつれより深く胸にささる。