劇作家前川知大さん率いる劇団イキウメの代表作『太陽』の映画化。
ブロムカンプのエリジウム的に貧富、格差、差別などが『ここではない日本』を舞台に描かれる。
ノクスとキュリオ。
大まかにみれば、富裕層と貧困層。
その絡み合いによる人間ドラマ。
恐ろしい程長回しの引き画のシーンがあったり、物語同様独特の世界観がしっかり描かれようとされている。
が、一つ残念なのは、美術のディテール。美しいロケーションの中、急なセット感。
邦画だとここまでか。これ以上は厳しいのか、などと思った。
登場人物では村で唯一、全てを受け止めようとし、黙する、古舘寛治さん演じる男(父)が切ない。
ラストの父の台詞。
『ん。わかんない。ははは。わかんないなぁ』。
涙。