第二次世界大戦下のオーストリアでナチスに奪われたクリムトと絵をめぐり、オーストラリアの美術館と権利を争う話。
クリムトの絵だし、訴訟モノで公開を大変楽しみにしていました。
おばあちゃんと若い男性弁護士のコンビはとても良かったのですが、法廷劇を楽しむには少し物足りなかったのです。
でもそれ以上に見どころは所有者として訴えたヘレン・ミレン演じるマリアの叔母アデーレに対する想い、弾圧された占領下、両親を置いてきてしまった後悔と素晴らしい演技でした。
また、占領下の美術や衣装、ヘアメイク、アクセサリーなど素敵でしたね。
得体の知れないどす黒いうねりが押し寄せ飲み込んでいったオーストリア。
財産は奪われ果ては命までもが…
華やかさと不安が入り乱れ
それでも美しく、若くして亡くなってしまった叔母を慕う小さななマリアが愛らしかったです。
弁護士役のライアン・レイノルズ、オーストリアで助太刀してくれるダニエル・ルリュールもいい味出してました。
未だに持ち主に戻されてない美術品は多いとの事。
正当な持ち主と美術品を離ればなれにさせてしまった戦争はあってはならないですね。
実物の『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像』がとても見たくなりました!