Osamu

黄金のアデーレ 名画の帰還のOsamuのレビュー・感想・評価

4.2
ナチスに奪われたものを取り返すために、オーストリア出身アメリカ人女性が闘う物語。

オーストリアはナチス・ドイツに併合された側なのに、ナチスのユダヤ人迫害に市民も加担した。それがツライ。その中にいる時は自身の悪に気付かない。

外からやって来たナチスだけに迫害されたのならまだ救われるのかもしれない。昨日までは仲間だった非ユダヤの市民にもひどい仕打ちをされる。

そこから逃れて他国に渡った人間にとって祖国とは何か。そこには愛おしい人々との懐かしい思い出があるはずなのに、それをも封印しなければ生きていけないくらい苦しかったのかもしれない。

祖国、祖先、家族。一旦、離れたところに帰る物語。

やり切れない感情を何度も何度も味わいました。この映画を観ている間にそれが心に積み重なっていきました。エンドロールを観ながら、それらをひとつひとつ思い返して、もう一度自分の中でなぞりました。受け止め切れない。

そう書いている今も涙が出そうです。