まつき

黄金のアデーレ 名画の帰還のまつきのレビュー・感想・評価

4.1
「映画のタイトル」「ナチスドイツ」「おばあちゃん主人公」「名画を取り戻すための裁判」と、お堅くとっつきづらそうなイメージだけど、全くそんなことはない。テンポが良く、ユーモラスで、わかりやすく、見やすい。それでいて、歴史的な背景があり、登場人物の葛藤や成長で感動でき、名画の美しさに心奪われる。とても贅沢な映画。

ストーリーは、2つの物語が並行して進む。

1つは、おばあちゃん主人公のマリアが、家族の思い出である絵画を取り戻す話。その絵画は、ナチスに奪われた後、オーストリアの美術館で、まるで国宝のような扱いで展示されている。1人の女性が、国を相手に戦う熱い展開。

もう1つは、マリアが回想する過去の話。街がナチスに支配される中、マリアは国外への脱出を図る。国に残す人との別れや、兵士から逃げるスリリングな展開が描かれる。「過去の話だけで1本映画が作れるほど」と言われるエピソード。この映画の魅力を増す大きな要素。

この現代と、過去のシーンの切り替わりがわかりやすく、面白い。現代のマリアが、遠い目をして過去を思い出す表情をすると、過去へ切り替わり、現代に戻ってくるとまたマリアがハッとした表情をする。アニメでよくある、「ほわほわほわ~ん」と頭の上にもくもく雲が出てくるイメージ。笑

そして、現代での戦いで、マリアの支えになったのが、新米弁護士のランディ。彼の「絵画奪還」への想いが熱くなっていく描写がとてもいい。ランディが早足になり、後ろからついてくるマリアが「一人で先に行かないで!」というシーンなんかとてもいい。

マリアの想い、ランディの想い、家族の思い出が宿った絵画。想いを巡らせれば巡らせるほど涙が出る素晴らしい映画だった。劇場内は、ご年配の方ばかりだったけど、みんなよく笑って、よく泣いていた。笑

この映画とセットで、ミケランジェロプロジェクトの鑑賞をオススメ!ナチスドイツの美術品強奪について、より理解が深まります。

どちらの映画でも語られていたこと。「ヒトラーが美術学校に受かってたら・・・」