きぬきぬ

黄金のアデーレ 名画の帰還のきぬきぬのレビュー・感想・評価

4.0
実話の映画化だが、
ただ戦争中にナチスにより略奪された、愛する伯母の肖像画でもある想い出の絵画を、本来の所有者である老婦人は返して欲しかっただけなのだ。それがオ-ストリアの国宝とされたクリムトの名画であったことから、かつてナチスを受け入れユダヤ人迫害に加担した国の美術館という権威の変わらぬ傲慢な姿勢までも暴かれる。老婦人と共に美術館(国)を相手に闘う弁護士の青年(音楽家シェ-ンベルクの孫!)にも収容所で失った家族がいる。彼らの内にある悲しみや憤りをじわじわと感じる。だから彼らは諦めない。まるで人間の尊厳のための闘いでもあるように。静かで抑えられた演出がとても良く、老婦人の回想の記憶が印象的に美しくて素晴らしい!結婚式の場面なんてむちゃ素敵だ。最後泣いた。
ヘレン・ミレンはもちろん素晴らしいけど、信念に目覚める青年弁護士役のライアン・レイノルズが本当に凄く良い!
ダニエル・ブリュ-ルの、彼らを助ける雑誌記者の存在も良かった。