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黄金のアデーレ 名画の帰還のemkのレビュー・感想・評価

4.3
TCXで鑑賞。
視界いっぱいに広がる黄金の絵画と、マリアが想いを馳せる優雅で幸せな家族の記憶は壮観でした。

凛とした気丈なマリアは勿論ですが、ランディの奥さんが素敵。破水したのって言いつつ夫の勝負服を決め、狼狽える夫を「どこにいても一緒だから」と送り出す。あんな強い女性になりたいです。

『コードネームU.N.C.L.E』に続いて冷戦時代に関連する映画でした。『ミケランジェロ・プロジェクト』のその後を映す、実話に基づいた美術品返還のお話。
映画はいつの間にか、私の中ではただのエンタメではなくなり様々な人の眼を通して、視点を変え角度を変え手法を変えて歴史を学ぶための鏡になっています。マリアを送り出す両親の言葉に静かに涙を流しました。
「忘れないでくれ……私たちのことを。」そして生きてくれ、と強く願う姿に。誇りは誰にも奪えないと、気高い芯の強さに。

地位や金ではなくて、誇り。最も争うのが難しいもの。でも、傷付けられることはあっても誰にも奪えないもの。日本人であること、この家に生まれたこと、そういった所属ではなく自分自身に誇りを持てる生き方をしたいと思いました。