TakashiNishimura

黄金のアデーレ 名画の帰還のTakashiNishimuraのレビュー・感想・評価

4.3
正義とは状況に応じて変化するものでは無く、絶対不変のものでなければならない。過去の不正義を、当時の支配者(例えばナチス)がやったことで今の自分たちとは関係が無い、などと現在との連続性を断ち切ってはならない。国家も個人も、過去と向き合うことで自分を定義し確認し、あるいは自らを裁き、あるいは歴史認識を共有しなければならない。そうすることでしか真の誇りは持ち得ない。

ナチスに略奪されオーストリアの美術館に所蔵されていたクリムトの名画の所有権を、国を相手どって裁判で争ったユダヤ人女性と弁護士の実話を元にしたこの物語には、我々日本人がともすると目をつぶりがちな、しかしながら、現在の日本が与している国際社会の一員である以上は従うべき、様々な西洋的ドクトリンが詰まっている。

といった重いテーマを持つドラマでありながら、バディ・ムービーとして仕上がっているのが流石である。