はま

黄金のアデーレ 名画の帰還のはまのレビュー・感想・評価

3.8

評判が良かったので鑑賞。地味だけど感動できる良い映画でした。ドラマでもドキュメンタリー番組でもなく、映画にする必要のあるお話だと思いました。

ナチスによって奪われた絵画を取り戻す……戦時中と現代という時代の違いはあれど、先日観た「ミケランジェロ・プロジェクト」と同じ題材です。

「ミケランジェロ・プロジェクト」の方でも少し書きましたが、やはり今回も一番考えさせられたのは、何故人間は美術品を守っていかなければならないのかという問題。

絵画をはじめとする美術品は富として扱われ、時に奪われる。しかし覚えておかなければならないのは、これらの富はただ売り買いできるものとしてだけではなく、人々の暮らしでもあるということ。過去の人々の文化、暮らしの頂に今があり、私たちは生きているということ。


現代の法廷のシーンだけではどうしても地味になりすぎてしまうと思うのですが、マリアのオーストリアでの暮らしの回想場面は煌びやかで優雅で見入ってしまいました。亡命を計るシーンはドキドキしましたし、この回想シーンでメリハリがつけられていて良かったと思います。

亡命、つまりは祖国を捨てることですが、たどり着いた自由/裁判の国アメリカで、法という言葉を武器に戦い、あの頃の自由な暮らしを取り戻すというのも感慨深かったです。


終戦から70年ということで様々な戦争映画が公開されています。これは今に始まったことではないかもしれませんが、時代は過ぎて行き戦争体験者が一人、また一人と減っていく中で、現代という視点から戦争の過ちを描くというのも、とても重要で効果的な伝え方だと思います。