すいれん

黄金のアデーレ 名画の帰還のすいれんのレビュー・感想・評価

4.1
ナチによって奪われた名画を取り戻す為に戦う物語… あれ、なんかそれって最近観たような気がするぞ。(まさか「ミケランジェロ〜」の鑑賞が予備知識としてこんなに早く役に立つとは思わなかったw)

オーストリア政府を相手に名画の所有権を争うのがメインの筋だけれど、振り返る記憶のシーンがどれもこれも素晴らしい。徹底的に再現された上流階級の暮らしの華やかさ優雅さ。ユダヤ人としてナチに追われる緊迫。絵のモデルの伯母アデーレの美しさ。現在パートの裁判の行方とのバランスも良かったけれど、あまりに過去パートが丁寧に描かれているのでそっちだけで成立するほどの見応えだった。特に結婚式のシーン!(調べたらユダヤ人の家庭で1番下の子供の結婚式に踊る伝統のダンスで、ナチの進行前、最後にとり行われたのが実際のアルトマン婦人の結婚式だったのだとか)
音楽がいいなーと思ったら音楽ハンス・ジマー。穏やかさの中にしっかり不穏があるのが流石。